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1946年(昭和21年) 03月14日公開
強制供米と農村
経済危機突破の非常措置の一環として、政府は金融・隠匿物資と並んで食糧緊急措置令を2月17日公布し、供出不良な者に対して強制収用命令を出せるようにした。
2月末日の供米実績は52%に過ぎず、供米期限の3月末日を前に、栃木県では3月16日に強権発動が開始された。
強制供米に対する反対も強かったが、食糧緊急措置令が8月の第90臨時議会で事後承認されるまでに“強権供米”は1,189件に上った。
内容:
干葉県香取郡多古町の水田地帯を牛車に米俵を積んで供出する農民の列。
供米成績表のグラフ(2月末現在5割2分)。
倉庫の壁に「強権発動絶対反対」の張り紙を前に語る多古町農業会長小川豊明さん「強権を発動しなくても自主的に供米は進んでいる。政府の措置は農村民主化を阻むものだ……」
リヤカーに米俵を積んで次々に供出する多古町の農民と米を調べる検査員。
数人の農民にインタビュー「農具もヤミでなければ買えない。肥料の配給もない……」
麦踏みをする数人の農婦。
黒板に書かれた麦作に必要な肥料の量と配給されたわずかな数量。
農業会のからっぽの肥料倉庫とこわれたくわなどの農具。
強権発動に反対する関東労働組合協議会伊藤憲一さん「農村に必要なものを与えないで強権で米を取り上げるのは反対……」
脱穀機を製造する農機具工場。
肥料工場で硫安を袋につめ貨車積み作業。
再び伊藤さんの話「インフレも食糧問題も労働者と農民が手を握らなければ解決しない」