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1946年(昭和21年) 02月28日公開

インフレはどうなる?

「政府緊急措置発表」

 政府はインフレ抑制の非常手段として、2月16日、預金封鎖・新円発行の金融緊急措置令と、日銀預入令を発表し翌日実施した。

 預金の引き出しは、1か月世帯主300円、世帯員1人100円までとし、給与も、新円は1か月500円までの、いわゆる500円生活が3月から始まった。

 この措置で、日銀券は2月18日の618億円が新円時代の3月12日には152億円に収縮したが、物価の上昇と食糧の遅・欠配で、消費者は洋服や着物を売って暮らす竹の子生活を余儀なくされた。


内容:

100円の札束を教える手元。

日銀券発行高を示すグラフ(昭和12年~20年)。

緊急措置を記者団に発表する渋沢敬三蔵相。

「日銀券は3月7日までに封鎖預金に……」

新円の見本100円札と10円札。

旧円で衣類を求める人たちでにぎわうヤミ市の古着屋。

「つり銭ありません」と書かれた張り紙を下げた店先

(1円以下の小額紙・貨幣は新円切り換えの対象にならなかったためつり銭を求める人が増えた)

小石川勤労署に職を求めて集まる人の列。

係員から整理券を受け取って、署内に入る求職者。求職の申し込みを記入する人たち。

新橋郵便局に張られた支払い制限の張り紙。

閑散とした窓口。

銀行の玄関。


「これからの生活はどうなる?」

 ねぎの山やいか・あじの並んだ露店の店先。

 店員と客のやりとり。「預金封鎖で商売にならない……」


「“隠匿物資を摘発せよ”」

 旧軍隊とみられる建物と、その前に積まれた米俵。

 東京中央郵便局の全景。

 郵便配達の職員の話。「500円生活は無理だ……」

 ごぼうやいわしの丸干しが並んだヤミ市の店先。


「“食糧配給を強化せよ”」

 丸の内のビル街へ出勤のサラリーマンとインタビューに答える人。「遣う金が減って物価が下がればよいが、とにかく生活必需品を大量に生産しなければならない……」

 乾パンの袋と乾パンの製造。製糸工場で働く女子工員。坑内で石炭を掘る炭鉱夫。石炭の貨車積み。


「“生産を再開せよ”」

 金融経済学者木村禧八郎氏の話。「インフレ抑制は働く者が組合を作り自分たちで工場を動かすことだ。これが実行できる強力な政府を人民の手で作る。つまり民主戦線内閣を作らなければ根本的な解決にはならない」。


  • 解像度:SD
  • /画面アスペクト比:スタンダード
  • /白黒
  • クレジット:クリエーションファイブ/中日映画社
  • 2025年01月07日登録
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